チップをクレジットカードで。自分でチップ金額も入力できるかも

海外旅行に行って、チップの支払いで困ったり悩んだりしたことはありませんか。アメリカのようにチップを支払うのが当然だと、ほとんどの人が知っているような国だとかえって悩まなくてもいいので助かりますね。
実はチップ必須の国はそれほど多くありません。しかし、サービスに対するお礼の意味でのチップは支払っておいた方が色々スムーズです。
この記事の目次
チップは現金?それともカード払い?
チップと言えば少額の現金というイメージがありますが、最近ではクレジットカードによる支払いも一般化してきています。
もちろん現金で支払うことに問題があるわけじゃありませんが、お店の方の都合もあるので、環境に合わせて現金とカードを使い分けると良いと思います。
チップが必要かはお店をよく見てみればわかる
基本的に世界中どこに行っても、チップを断る例はほとんどないと考えていいでしょう。
アルゼンチンのように、法令でチップの要求が禁止されていても実際にはチップを要求されますし、こちらから支払う分には問題はないのでグレーゾーンですね。
最もチップの習慣がないのは日本とイエメンぐらいかも知れません。
問題はチップが事実上義務化されている国と、お客さんの善意に頼っている国です。これは判断が難しいのですが、次のような国では必ずチップが必要になっています。
これは、特にアメリカでは飲食店従業員などの給料が多くの場合最低賃金レベルで、チップで生活しているという側面があるからなのです。そうした国では飲食代金の15%~20%のチップは必須になっています。
他の国ではそこまで高いチップは要求されないと思いますが、それでも最低10%は支払っておかないとトラブルになるかも知れません。
次の国々では、基本的に15%のチップを支払っておけば問題はないでしょう。
- アメリカ
- メキシコ
- カナダ
- エジプト
- アラブ首長国連邦
- カタール
ただし次のような場合、チップを払う必要はありません。
- テイクアウトのお店
- セルフサービスのお店
- 料金にサービス料(チップ)が含まれている場合
チップはサービスに対する対価として支払うものと考えればいいでしょう。レストランやタクシーでは、料金は料理や移動に対して支払うもので、サービスに対してはチップで支払うと考えて下さい。
ただ、例えば旅行者の場合スターバックスのようなお店で飲み物を買って、近隣の施設の場所を尋ねたりすることがありますよね。そうした場合には “Thank You” と言って1~2ドルを渡すのがスマートでしょう。
もちろん店員さんに見えるようにしてチップジャーに入れてもいいですよ。現金でチップを渡す時は、基本的にお札のほうがスマートです。
ですので、小額紙幣はいつも準備しておきましょう。
ドアマンやルームサービスへのチップは現金で
飲食代金や運賃など、チップの金額を計算する基礎になる代金がわかっているものは良いですが、ホテルのドアマンやベルボーイなど、フロントから部屋までのサービスを行ってくれる人へのチップは難しいですね。
それはその国での相場を誰かに聞いておくのが良いです。例えばアメリカの場合だと、ハンドリングした荷物が1~2個の場合2ドル、1個増えるごとに1ドルを加算して現金で支払いましょう。
またルームサービスについても、同じように1~2ドルを現金で渡したほうが喜ばれます。
ルームサービスの場合、代金は部屋付にできますから、注文代金の15%~20%の金額を伝票に書いてサインしても問題はありません。
しかし、そのチップの分配についてはホテル内での取り決めに従って分配されます。一方、現金で手渡した場合には、その人個人の収入になる可能性もあります。
もちろん、全額フロントに渡してあとで分配するかも知れません。
でも、それをサービスを担当してくれた人に判断を委ねると喜ばれます。
その他、ドアマンにタクシーなどを依頼した場合や、細々したサービスを頼んだときにも1~2ドル相当のチップを渡すといいですね。
会計伝票のチップ欄を空欄のまま放置してはいけない
チップが定型化している国では、レストランの会計伝票にはチップの金額と、それを含めた合計金額を記入する欄が設けられています。
そこを空欄のまま放置しておくと、「好きな金額を記入していいよ」と言う意思表示だと受け取られてしまいかねません。
そうなると請求が怖いですね。必ず記入しておいて下さい。
レストランなどではチップを自分で記入してカード決済できる
まず重要なのは会計伝票に記入された金額に、チップやサービス料が含まれているかいないかという問題があります。
英語表記の場合、チップは次のように表現されることが多いです。
- Gratuity
- Tip
- Service charge
- S/V
- SVC
チップが必要な会計タイプの場合、伝票には次のような内容が記載されているはずです。
- 飲食内容の明細
- Amount :飲食代金の合計
- Gratuity :チップを自分で記入
- Total :支払金額の合計を自分で記入
・Amount + Gratuity - Signature :カードのサイン
下の3つを自分で記入します。チップについては上で紹介したような表現があります。また、大切なことなのですが、サイン欄には “x” とだけ書かれていることもあるので、見落とさないでくださいね。
クレジットカードの支払いのサインの書き方は、次の記事で説明しています。
食事代を基準のチップの金額はどうやって決めるのか
チップの金額は、食事代金やタクシーの運賃など、基準になる金額の10%~20%くらいですが、近頃では18%~25%くらいを伝票に例示して支払いを促す店もリゾート地を中心に増えています。
そうした金額は、お客さんにチップ計算がやりやすいようにという配慮と言う建前で伝票の下の方に例示されています。
例えば、15%・20%・25%と並べてあると、つい真ん中の20%を選びそうになりますが、15%で問題ありません。一種の心理トリックですので気をつけましょう。
また、自分で概算するのも悪い方法ではありません。例えばamount(飲食代金合計)が28.36ドルだったとしましょう。小数点以下を切り上げて10%を計算すると2.9ドルになりますね。
さらにその半分(5%)は1.45ドルです。それを合わせると4.35ドルになります。電卓で28.36ドルの15%を計算すると4.26ドル(小数点以下3桁を切り上げ)になりますから、ほぼ問題ない金額と言えるでしょう。
これを飲食代金に加算して $28.36 + $4.35 = $32.71 と記入すればOKです。頭の “$” マークと、小数点以下2桁までの金額記入を忘れないでくださいね。
仮に切りの良い金額と考えて、 チップを4.64ドルにした場合でも合計金額には必ず$33.00と小数点以下2桁までゼロを記入して下さい。
これは改ざん防止ですので忘れてはなりません。
ICカード対応店ではチップ計算も自動でできる
ICカードに対応しているレストランや、ハンディターミナル搭載のタクシーなどでは、座席についたままカード支払いと PIN(暗証番号)入力ができます。
その際、チップの金額をパーセント表示で選択できるものも多くなっています。
食事代の支払い時には店員さんを呼ぶ
でも旅行者が言う分にはどちらでも問題ないと思いますよ。
ICカードの普及に伴って、テーブル席までハンディターミナルを持ってきてくれるお店も増えてきました。そうしたお店では、料理代金を確認した上でチップの金額を自分で入力します。
ターミナルに表示された10%・15%・20% などと言う表示を選ぶだけで自動計算してくれる機能もついていることがあります。金額を自分で入力するのももちろんOKです。
支払総額を確認したら、カードを差し込みPINを入力すれば決済完了です。利用明細を受け取って退出して下さい。
追加チップという制度もあるので混乱しないように
飲食伝票を見たら次のように記載されていることがあります。
- 飲食代金の明細
- subtotal :飲食代金小計
- 15%SVC :15%のサービス料金
- total amount :チップ込の合計料金
- Tip not included (自書欄)
- Total (自書欄)
これは、代金の中に15%のチップが含まれていますが、自署欄に記入することでチップを追加することができます。
15%以上の金額が設定されているのなら、わざわざ追加する必要はありません。自書欄を斜線で消しておけばOKです。
一方、10%くらいの設定になっている場合は、特にサービスに不満がないレベルであれば 5~10% 加算しておくと良いでしょう。
チップはその国の風習なので支払い方はどちらでも問題ない
旅行者はその国での習慣を知らなくて当然なので、慣れるまでは自分の支払いやすい方法で支払っておけば問題ありません。
意識するのは相場感だけですね。旅行代理店や地元の人に聞いてみてもいいですよ。