デビットカードとキャッシュカード。ATMなしで使えるデビット

デビットカードという物の存在もかなり一般化してきました。しかし、それが一体どういう物なのか、皆さんはちゃんと理解していますか。まずはデビットカードに 2 種類あると言うことはご存知でしょうか。
国内だけで使える物と、世界中で使える物です。国内だけで使える物は、銀行のキャッシュカードだと言うことも、まだあまり有名じゃないようです。この複雑なデビットカード事情を解きほぐしてみましょう。
デビットカードのメリットは、次の記事で詳しく説明しています。
この記事の目次
キャッシュカードとデビットカードの違いとは
そもそもキャッシュカードとデビットカードは違うものなのでしょうか。これは「プラスチックのカードの名前」だと考えると混乱してしまいます。
プラスチックのカードがそこにあって、そのカードに「キャッシュカードと言う働き」や「デビットカードと言う働き」が備わっていると考えると理解しやすいと思います。
クレジットカードとデビットカードの違いは、次の記事でご説明しています。
預金と利用方法の関係がカードの名前になる
そしてキャッシュカードは預金と現金を相互に移動するための道具と言う意味です。
クレジットカード・デビットカード・プリペイドカードの3つを総称して「ペイメントカード」と言います。
つまり支払い用カードです。一方キャッシュカードに支払機能はありません。支払いは引き出した現金で行うからです。
しかし、デビットカードはキャッシュカードをペイメントカードとして利用することが大半です。
デビットカードには次の2種類があります。
- J-Debit:キャッシュカードそのものをデビットカードとして使う
・デビットカードとしての表示がなくても使える
・デビットカード番号は銀行・支店・口座番号がそのまま使われる - 国際ブランドデビット:国際ブランドが表示されたカードを使う
・キャッシュカードに搭載されていることもある
・カード番号は口座番号とは別にクレジットカード形式の番号が与えられる
J-Debit はキャッシュカードをペイメントカードとして使いますので、カードには [4 桁の金融機関コード(銀行番号)]-[3 桁の支店番号]-[7 桁の口座番号] の、合計14桁が表示されています。場合によっては銀行番号が省略されることもあります。
これに対して国際ブランドデビットには4桁×4のクレジットカードと同じ形式の16桁の番号が表示されています。国際ブランドデビットとキャッシュカード一体型のカードの場合、この両方が表示されています。
デビットカードは預金残高から直接支払いを行うもの
デビットカードとキャッシュカードの共通点は、預金口座のお金を使うためのカードであると言うことです。銀行口座に残高がなければキャッシュカードでお金を下ろせません。
それと全く同じで、デビットカードを使おうにも銀行口座に残高がなければ利用できないわけです。これがクレジットカードと異なるところです。
一方、キャッシュカードがあれば預金口座にお金を入金できます。しかし、キャッシュカード機能を持たないデビットカードでは入金を行うことはできません。それが大きな違いですね。
どちらのデビットカードも暗証番号がないと使えない
J-Debit であっても国際ブランドデビットであっても、支払の際には必ず暗証番号の入力を求められます。
規約上は暗証番号なしで使うことは不可能ではないと思いますが、まず使えることはないでしょう。
それは、暗証番号なしで取引を行った場合、万が一のトラブルの際の責任がすべて加盟店の負担になるからです。そんな責任を負ってまでカードを受け入れるお店はないでしょう。
J-Debit はカードにマークがなくてもデビットカードとして使える
J-Debit のカードは、銀行のキャッシュカードそのものです。
基本的には古いキャッシュカードでもそのまま使えます。場合によっては合併によって行名が変更になっていても、旧カードのまま使えることもあります。
念のため発行銀行に問い合わせてみて下さい。なお、楽天銀行のような新しい形態の銀行では J-Debit に対応していないケースがあります。
- ゆうちょ銀行
- 都市銀行 5 行
- イオン銀行
- ほとんどの地方銀行
- ほとんどの第二地方銀行
- ほとんどの信用金庫
- 一部の信用組合
- 労働金庫
- 70%程度の農協
- ごく一部の漁協
- SMBC と三井住友の信託銀行2行
- 新生銀行・ジャパンネット銀行の新形態銀行2行
以上が J-Debit 対応キャッシュカードを発行している金融機関ですが、地銀や信用金庫などに付いては [ J-Debitナビ 金融機関検索 ]で、J-Debit 公式ページを検索して、そこから調べてみて下さい。
なお、キャッシュカードに J-Debit マークが描かれていたら問題なく使えます。J-Debit のマークはこのようなものです。
また、このマークはアクセプタンスマークとしても使われています。このマークが店頭やレジに表示されているお店では、J-Debit が利用可能です。
国際ブランドデビットはクレジットと同様に海外でも利用できる
国際ブランドデビットは、日本では VISA と JCB の物だけが発行されています。
過去にはマスターカードのものが発行されていたこともありますが、日本では現在、新規発行も有効な過去のカードも存在していません。
国際ブランドデビットには必ず VISA か JCB のブランドマークが印刷されていて、ホログラムも付いています。
そしてカード裏面には国際銀行オンラインシステムの PLUS または Cirrus のブランドマークも印刷されています。
国際ブランドデビットと J-Debit の最も大きな違いは次の点です。
- VISA または JCB の世界中の加盟店で利用できる
- JCB デビットの場合、海外では加盟店相互開放を行っている国際ブランド加盟店でも利用できる
- 世界中の ATM で現地通貨の引き出しができる
・VISA:VISA または PLUS のブランドマークがあるATM
・JCB:JCB または Cirrus のブランドマークがあるATM
国内でしか使えない J-Debit とは大きく違いますね。
国際ブランドデビットは専用カードタイプもある
J-Debit はキャッシュカードの情報をそのまま使って、銀行側のシステムで現金の出し入れと、ペイメントの二つの役目を持たせています。ですので、J-Debit 専用カードという物は存在しません。
一方国際ブランドデビットは、ペイメントカードとして使う場合、VISA や JCB のシステムを使うため、専用カードを発行する場合もありますし、一枚のカードに両方の機能を持たせたものもあります。
J-Debitも使うなら専用カードタイプを選ぶと良い
例えば三菱UFJ銀行の場合、国際ブランドデビットは専用カードになっています。ですので、VISA デビットや JCB デビットを発行しても、キャッシュカードは元のままなので J-Debit はそちらで使えるでしょう。
銀行ごとに対応が異なっていますから、両方を使いたい場合には、発行銀行に相談してみて下さい。
ただ、J-Debit しか使えない加盟店と言うのはそれほど多くないと思います。
現金を介在させない支払方法がデビットカード
[キャッシュカードで ATM からお金を下ろす ⇒ 口座残高が減る ⇒ お金で買い物をする] という流れから、[デビットカードで買い物をする ⇒ 口座残高が減る]という流れにショートカットするものだと言うことです。
クレジットはその逆で「貸方」になるから、物が増えて借金が増えると言う意味ですね。