デビットカードは即時引き落とし。でも実際には遅れることもある

デビットカードは即時引き落としだから残高不足の心配はないと思っていたのに、ある日銀行から残高不足の連絡がきてしまった。これは困りますよね。デビットカードなのに残高不足があとから発生することってあるのでしょうか。
これはシステムの都合上、やむを得ない状況で発生します。各銀行の説明をしっかり読んでおけばわかるのですが、なかなかたくさんの説明を理解するのって難しいですよね。
残高が不足していてもデビットカードが利用できることはある
これには大きく分けて 2 つのパターンがあります。1 つはデビットカードや銀行口座に自動貸付の機能が備わっている場合です。この場合、銀行からは特に連絡がないことが多いです。
もう 1 つは、システム上引き落としタイミングがずれることで起こってしまう現象です。この場合は必ず銀行から連絡が来ます。
引き落としタイミングのずれは利用店舗によって決まる
こうしたトラブルを避けるため、例えば楽天銀行の場合、ガソリンスタンドで最初にカードを通した時に残高が 10,000 円を下回っていたらオーソリ(利用承認)が通りません。
セルフのスタンドは、大型車用や一部の例外を除いて 100L または 10,000 円分の、どちらか少ない方までしか給油できないので預金不足が起こらないようになっているのです。
このように、カードの提示時点では利用金額が決定していない加盟店では、オーソリの段階で弾かれることもありますが、最近では預金者の利便性を図るため、楽天銀行とガソリンスタンドのように利用可能になっていることもあります。
- ガソリンスタンド
- 通信販売
- 毎月の引き落としに登録した場合(公共料金等)
- 海外の一部の店舗
こうしたお店では残高不足が発生する恐れがあるので、銀行ごとの判断で「利用できない店舗」に指定されていることもあります。
デビットカードの利用代金は即日引き落としとは限らない
こうした場合決済時にはカードの有効性だけを確認します。
その場合、その買い物分の引き落としは後回しになりますので、買い物をした時点では残高が足りていたのに、2 番め、3 番めと買い物をして行くうちに、最初の買い物分の残高が残らなくなることもあります。
そうして残高不足が発生すると、一時的にデビットカードや銀行口座が使えなくなることもあるのです。
- 金額情報が含まれた利用情報の送信(一般の店舗での買い物など)
→ 即時に口座から引き落としが行われる
→ 請求情報として売り上げ確定情報の送信
→ 引き落とし済みのお金で支払いを行うため残高不足は起こらない - 金額情報が含まれない利用情報の送信(ガソリンスタンドなど)
→ 金額情報がないのでその段階では引き落としができない
→ 売り上げ確定情報と同時に金額情報が送信される
→ その段階で引き落としが行われるので残高不足の可能性が生まれる
このような違いによって、デビットカードでも残高不足が発生する可能性があるのです。J-Debit については金額情報のない利用情報は受け付けられませんので、利用できる店舗が限られる代わりに、残高不足も発生しないのです。
残高不足が起こるとデビットカードが利用停止になる
何らかの事情で、国際ブランドデビットの利用において残高不足が発生してしまった場合、銀行からメールや電話、場合によっては書面で連絡が来ます。その場合、すぐに口座に入金して下さい。
銀行の指定日までに入金した場合、特段のペナルティや利息の発生はありません。ただ、入金するまではデビットカードは使えませんし、口座残高はマイナスになっているので引き出したり、支払いに使ったりもできなくなっています。
国際ブランドデビットでは二重引き落としのリスクもある
海外のホテルではデポジットにデビットカードを受け付けていないことも結構ありますが、受け入れるホテルもあります。その場合、二重払いは普通に起こります。
- チェックイン時にデポジットを行う(その場で引き落とし)
- チェックアウト時に宿泊中の利用金額を支払う(さらに引き落とし)
- デポジット分は伝票が返却される(請求は行われない)
- 請求が行われないと自動的にキャンセル扱いになる
このような流れで請求は行われないものの、キャンセル扱いになって口座へ組み戻されるまでの数日~2 か月くらいの期間、二重払い状態になってしまいます。
国内の買い物でも二重払いの可能性は常にある
また国内の買い物でも、返品や追加発注などがあると、タイミングによって二重払いは発生します。この場合も自動的に組み戻されますが、タイムラグはありますので、残高に影響します。返品の例を見てみましょう。
- 買い物をする( 1 回目の引き落とし)
- 加盟店が売り上げ確定情報を送る
- 返品を行い、加盟店がオーソリを取り消す(組戻し)
- 売り上げ確定情報に基づいて加盟店への支払い準備に入る
- 組戻しが行われているので再度引き落とし(二重払い)
- 加盟店への支払い前に取り消し情報に基づいて再度組戻し
このように、カードを使った時点での利用情報と、売り上げ確定情報送信・送付の間にタイムラグがあるため、その時にキャンセル・返品が発生すると情報にずれが出てしまい、二重払いが一時的に発生します。
もちろん自動的に組み戻されますので、金額的には預金者が損をすることはありません。
預金口座の残高ぎりぎりの利用は避けておきたいもの
クレジットカードを使っている人なら、利用可能枠いっぱいまで使うのはリスキーであるという認識の元、毎月の利用額を決めていると思います。
アメリカあたりでは、毎月の利用は利用可能額の 20%~30% 以内に抑えておくのがベストだともいわれているようですね。
銀行口座の使い方にもよるが残高の 70% くらいまでに抑えておこう
国際ブランドデビットをセットした口座で、公共料金などの自動支払いを行っている場合、その残高が不足したのでは問題ですね。また、年に一回しか引き落とされない、保険料や会費などがある場合は特に注意が必要です。
もちろん、それをデビットカード支払いにしている場合でも同じことで、スケジュールをしっかり管理しておいて下さい。
自動支払いはクレジットカードに任せた方が安心かも
デビットカードは定期的な支払いに使えないケースが多いですが、最近では一部利用可能になってきています。それでもそうした物はクレジットカードに任せた方が良いかもしれませんね。
デビットカードだと、残高不足で支払い不能になると、その他の方法で支払いに出向く必要が出てきます。クレジットカードなら締め日からでも25日くらい以上の余裕がありますから、お金の準備も簡単です。
デビットカードは「その場で支払いを完了させるもの」に限った利用の方が安全でしょう。
立替えシステムのあるデビットカードは使いよう
残高が不足してしまった時、自動的に立替えを行ってくれる国際ブランドデビットがあります。これらは申し込み時に審査がありますので、クレジットカードの審査に通らない状況の人は申し込まない方が良いでしょう。
これには、利息が発生するものと発生しないものがあります。
立替えはクレジット方式と極度型ローン方式
立替え機能が付いたデビットカードがあるのは次の 2 行です。
- イオン銀行:クレジット方式
- ジャパンネット銀行:極度型ローン方式
イオン銀行のクレジット方式の場合、利用枠は 10 万円で 1 回払いのみです。また、預金残高が不足していた場合、不足分を立て替えるのではなく、その買い物の金額全部を立て替えるようになっています。
一方、ジャパンネット銀行の方は利息が発生するので、不足分だけの立替えになります。
普通預金口座に当座貸越がセットされているとその分も使える
これが設定されている普通預金口座で国際ブランドデビットを使うと、残高不足になった場合でも自動的に借り入れが行われるので、残高不足でトラブルが起こることがありません。
地銀のデビットカードにはこれが利用できるところが多いと思います。一度自分の口座をチェックしてみて下さい。
デビットカードの利用も余裕をもって
あまり利用状況が悪すぎると、国際ブランドデビットの利用を断られたり、発行してもらえなくなったりする可能性もあるんですよ。