デビットカードの明細は通帳そのもの。うまく利用して家計管理を

今回は主に国際ブランドデビットのお話になります。デビットカード、特に国際ブランドデビットはキャッシュレスでコンタクトレス、しかもペーパーレスで家計管理ができる優れモノです。
一方で、通帳と言うペーパー、あるいはインターネットバンキングの電子通帳と言う別媒体での記録も併用できるので、明細と通帳の併用で家計管理上手な生活の手助けになるものなのです。詳しく見てみましょう。
即時性と詳細な内容の二段構えの利用明細が得られる
デビットカードを利用すると、即座に口座から引き落とされます。引き落とされると言うことは、残高が減ったことが通帳に記入されると言うことでもありますね。
これは出金として通帳に記入されますが、同時にデビットカードの利用であることと、利用控えと照合するための情報も通帳に記入されます。
即座に記載される情報は利用日・金額・承認番号だけ
デビットカードによる口座からの引き落としは、オーソリ(利用承認)の段階でそのお金が他の用途に使われないよう確保するための物で、自動的に加盟店に振り込まれるわけではありません。
デポジットの場合、そのまま請求が行われなければオーソリの有効期限切れになって口座に組み戻されます。それには 45 日~60 日程度の有効期限が切れるのを待たなければいけません。
売上情報(確定)が送られると店名情報などが利用明細に載る
紙の通帳を使っている場合でも、国際ブランドデビットが発行されると、ネット上で利用明細を参照できるようになります。
この場合、加盟店からの売り上げ確定情報が送信されると、その情報が利用明細に記載されます。ただし、商品ごとの明細は載らないのが一般的ですので、利用時に受け取った利用控えと照合して家計管理に使って下さい。
デビットカードの利用に関する記録や控えの扱いは銀行によって異なる部分があるので、カードが発行されたら必ず案内をしっかり読んでおきましょう。
利用ごとに一行記録されるのでオンライン通帳がお勧め
デビットカードを利用すると、1 回の利用に通帳が 1 行消費されるので、あっという間に一杯になってしまいます。ですので、オンライン通帳に切り替えることをお勧めします。
オンライン通帳だと情報の更新が可能ですので、紙の通帳よりもずっと管理がしやすくなります。
オンライン通帳は照会期間も長くダウンロードも可能なので便利
オンライン通帳になると、利用した日には紙の通帳と同じように利用日・金額・承認番号が記載されますが、電子データなので更新が可能です。
加盟店から売り上げ確定情報が送信されると、オンライン通帳の情報が更新され、利用店舗などの情報が通帳上に反映されます。
( *1 csv ファイル:Comma-Separated Values(コンマで区切られた値)で記録されたテキストファイルで、マイクロソフト Excel や家計簿ファイルなどに取り込み可能。)
( *2 pdf ファイル:Portable Document Format(共通ドキュメント形式)で記録されたイメージファイルで、OS やハードウェアに関係なく印刷や閲覧が可能。)
紙の通帳の場合承認番号を照合して確認する
それほど頻繁にデビットカードを利用するわけでもないから、通帳は紙の方が良いという場合、デビットカードを使ったら ATM などで記帳する癖はつけておきましょう。
そこにはデビットカードの承認番号や取引明細番号が記載されていますので、カードを利用した時に受け取った利用控えにある番号と照合しておいて下さい。
通帳の方には、アルファベットなどの記号に続いて記載されていることもありますが、承認番号などは数字だけです。数字が一致すれば同じものと考えて問題ありません。
無料の利用明細郵送サービスもある
イオンデビットカードでは、一か月単位で利用明細書を郵送してくれるサービスがあります。イオン銀行キャッシュ+デビットではありませんので注意して下さい。もちろんネット上での確認も可能です。
イオンデビットカードはクレジットカード方式の与信審査と、残高不足の際の立替制度があるため、こうしたサービスが付いているのかもしれませんね。
デビットカード利用控えと通帳は必ず照合する習慣をつける
デビットカードを含めてすべてのカード払いでは、利用した時に受け取る利用控えと通帳や利用明細との照合は必ず行って下さい。
不正利用があった場合などに、最も確実に早期発見できるのはこの照合作業なのです。
デビットカードの場合内容は後回しで良いので使った事実を確認
デビットカードを利用するたびに口座の内容を確認していれば、使っていないはずの時に引き落としがあればすぐ発見できますね。
- 利用控えは必ず持ち帰り確認できるまで廃棄しない
- その日のうちに通帳記入またはオンライン通帳で確認する
- 利用控えと一致する適用項目を探す
- 利用控えと一致しない引落があったら不正利用を疑う
- 後日、利用内容がオンライン通帳や利用明細に反映されたら利用控えを捨てても良い
このようにして、デビットカードの利用と口座残高の変化を照合確認しましょう。
覚えのない利用店舗名でも不正とは限らない
そんなお店でデビットカードを使った覚えはないと思ってもあわてないでください。これは良くあることなのです。
~クレジット、~ペイメント、~カード決済、~フィナンシャルなどの名前は、加盟店の決済作業を代行している会社のことが多いです。また、そうした名前が付かない場合でも、具体的な社名で言えば次のようなものがあります。
- 株式会社ゼウス( SBI グループ)
- ペイジェント(三菱UFJニコス・DeNA 系)
- JMS ( JCB・三菱UFJニコス・UC カード系)
- GMO イプシロン( GMO インターネットグループ)
こうした物や、paypal(ペイパル)などは決済代行サービスですので、利用金額と承認番号が一致すれば自分の利用したものだと分かります。金額も承認番号も一致しない利用があった場合は不正利用を疑って下さい。
少額引落は為替関連か有効性確認の可能性が高い
クレジットカードにせよデビットカードにせよ、時折数円~数百円程度の利用が記録されることがあります。デビットカードの場合は実際に引き落としされるので驚くこともありますね。
これは心配のない利用です。利用の際に引き落とし不足だったものを追加で引き落としているか、あるいはカードの有効性確認のための引き落としで、これは少し先になってから口座に返金されます。
海外で利用する場合には預金残高に余裕をもって
もちろん数日レベルですから、そんなに極端な差額は出ないでしょう。
逆に 1 ドル 108 円と円高になっていた場合、800 円が組み戻されます。もちろん通帳の摘要欄にはデビットの為替差額である旨が表示されますが、よく理解しておかないと不正利用に見えるかもしれません。
また、こう言うことがあるので、残高一杯までデビットカードを使ってはいけません。少なくとも海外で利用する時には預金残高の 80% くらいまでに抑えておきましょう。
謎の 1 円引落はカードの有効性確認のため
デビットカードは利用当日に引き落としが行われるため、インターネット通販などでの予約購入では、申込日に引き落とされるとかなり長期間の前払いになってしまいます。
さらに、それを途中でキャンセルしたりすると組戻しでトラブルが起こったりする可能性があるので、Amazon.co.jp などは、商品の発送準備が開始された段階で引き落としを行います。
ところがその場合、受付時にカードの有効性が確認できないため、申込日に 1 円だけ引き落としを行います。もちろんこのお金は後日返金されます。Amazon.co.jpでは、その他にもいくつか自動で引き落とされるものがあります。
- 1 円:予約購入の有効性確認
- 400 円:Amazon プライムの月会費
- 980 円:Kindle Unlimited 利用料
- 1,500 円:Audible 利用料
- 3,900 円:Amazon プライムの年会費
また、他のネットサービスでも、カードの有効性確認を行うところがあります。例えば決済代行サービスの Paypal では最初の登録の時に 200 円が引き落とされ、後日返金されます。
しっかり明細を確認することで家計簿代わりにも利用できる
そこまで詳細に行わずデータとして目で見るだけでも、余計な出費がないかというチェックができますので便利ですよ。