クレジットカードの二重請求は起こりうるが実害はないことが多い

クレジットカードを使っていると、たまに二重請求が行われることがあります。その原因は様々ですが、基本的にはどれも実害なく解決できるでしょう。
ただし、それには二重請求に気付けるだけの注意力は求められます。どのような時に二重請求が行われどのように解決すればいいのでしょうか。
この記事の目次
二重請求は多くの場合請求書の利用明細チェックで気づく
もちろん例外もありますが、多くの場合今月の支払額を確認しようとして明細書をチェックし、その際に二重請求に気付くと言ったケースが多くなっています。
特に、全く同じ商品やサービスが同日に請求されていた場合、大抵の人が気づくと思います。
こんな場合には「請求に疑問がある」としてカード会社に直ちに連絡して下さい。
クレジットカードの請求ミスとして訴え出るのが良い
状況によってはお店に連絡することもあります。しかし、いずれにせよカード会社に連絡することを優先した方が良いですね。
その場合「クレジットカードの請求内容に誤りがあるようです。」として申し入れるのが良いでしょう。その上でしっかり調査してもらって下さい。
問答無用で「これは間違ってる、金は払わないぞ。」などとやってしまうと、無用な摩擦を生じます。
状況説明を正確に行うことが早く原因を解決するポイント
二重請求が起こる場合、必ずもとになる購入実績があるはずです。
それすら存在していなかったら「架空請求」として、別のカード犯罪の範疇に入ってしまいます。もちろん対応も変わってきます。
そこで、カード会社に電話して次のように説明して下さい。
- 一回の利用に対して、カードの利用明細に二回分の記録があることを申し入れる
- 実際に利用したのはどちらかを説明する
・利用金額が異なっている場合、どちらが正しいのか
・利用日時が異なっている場合、どちらが正しいのか - どのようにクレジットカードを利用したのかの説明
・実店舗なのかネット通販なのか
・実店舗の場合、磁気ストライプ取引なのかIC チップ取引なのか
・サインをしたか、暗証番号を入力したか - ネット通販で利用した場合、送料などの変更がなかったか
- ネット通販で利用した場合、サイト上の申し込みなのか通販アプリを使ったのか
大まかなところはこんなものですが、特に意識しなくてもカード会社の方から尋ねてくれます。しかし、事前にその答えをしっかり準備しておくと良いですね。
二重請求の返金は翌月支払日で相殺されることが多い
カード会社から加盟店に確認して、すぐに二重請求が明らかになった場合、請求そのものが即座に取り消されますから、口座引き落としが行われないでしょう。
また、カード会社が二重請求の可能性が高いと判断した場合も同じです。
一方、申し入れが遅かったり確認に手間が掛かったりした場合、いったん引き落とされてしまうことは避けられません。
大切なのはカード会社への連絡タイミング
その段階で引き落としが確定します。紙の請求書が届くのを待っているといざずらに時間を浪費しますので、WEB明細を利用して金額が確定した案内があったらすぐに確認する習慣をつけておきましょう。
そのタイミングなら、引き落としを保留することができる可能性が高くなります。
引き落とされてしまっても翌月分の支払いで相殺できる
カード会社からの回答にもよりけりですが、二重請求であることをカード会社が確認してくれたら、たとえ口座から一旦引き落とされても、翌月の支払い分から相殺する形で返金されます。
翌月の支払い分が二重請求の金額に届かない場合は、カード会社から返金方法について相談があるでしょう。
ただし、操作ミスにせよ悪意による故意の二重請求にせよ、加盟店の責任で二重請求が起こった場合、加盟店が二重請求を認めないと返金に時間がかかる可能性は否定できません。特に海外利用では注意が必要です。
二重請求には本物と偽物がある
カード会社の中には不正利用の早期発見を意図して、カードの利用ごとに速報メールを送ってくれるところがあります。この速報メールが 2 通届いたことで二重請求を疑うこともあるわけです。
しかし、実際に二重請求が行われなくても、2通メールが届いてしまうケースがあります。これが「偽物」の二重請求です。
偽物の二重請求だと分かっていれば放置しても問題ない
カードの利用メールは当日か翌日に速報として送られてきます。つまり、加盟店がカード会社にオーソリ(利用承認の確認)を行ったことでメールが送られると言うことです。
しかし、オーソリが通った後に加盟店がカード会社に請求しないと、そのオーソリは45日~60日後に自動的にキャンセルされます。例えば、通販で送料無料キャンペーンが行われていた場合、システムは通常通り送料を上乗せして決済します。
そして、通販会社の人が手動で送料をゼロにした金額で再度カード決済を行うのです。そして、送料の乗った決済分はそのままキャンセルされるのですが、キャンセルについてはカード利用メールが送られないのです。
- 金額変更があり得る通販で買い物をする
- 自動的にカードで支払いが行われる(1通目のカード利用メール)
- 通販会社で送料分を差し引いた金額を計算
- 安くなった金額をカード決済する(2通目のカード利用メール)
- 通販会社は1通目の分を請求せず自動キャンセルに任せる
- 通販会社は2通目の分をカード会社に請求する
- 実際にカード会員の口座から引き落とされるのは 2 通目の分だけになる
このようになっています。
これとよく似た現象は、海外のホテルに泊まった際にデポジットとその清算でも発生することがあります。
この場合は、チェックインの際に行ったデポジットの分が、オーソリだけで実際には請求されないことで清算されるようになっています。
いずれの場合も、カード利用明細に最初の分が載っていないことを確認できれば OK です。
本物の二重請求は店員さんの操作ミスで最もよく起こる
クレジットカードを読取機に通した時に、通信回線の混雑などが原因でエラーが出ることがあります。
この際、店員さんが慌ててしまい、実際には決済が行われていたのに行われなかったと勘違いして、カードをもう一度セットしたために二重請求が起こることがあります。
- 何のペーパーも出ず、レジも未処理のままになっている場合
⇒決済機と回線・カード会社の間で通信ができなかった
⇒オーソリも請求も行われていない
⇒もう一度操作しても大丈夫 - 何らかのペーパーが出力されて、レジだけがエラーになっている場合
⇒決済機とカード会社との通信はできたが時間がかかった
⇒レジの方がタイムアウトしてエラーになった
⇒もう一度カードを通すとレジのエラーは解決するが二重請求になる
⇒レジのエラーは手動で解除しないといけない
おおまかに分けるとこのようなイメージです。しかし、この操作間違いはお客さんの方で気づけないことも少なくありません。また、後日になって二重請求に気付いても、お店の方が操作ミスを認識していないので、取り消しを拒否されることもあります。
なので、カード会社に事情を説明して取り消しを依頼するのです。カード会社の方では通信や取引が秒単位で記録されていますから、異常な取引だと確認できれば取り消しを行ってくれるでしょう。
対策はできるが予防は難しい
上のミスのようなものだけでなく、海外では悪意で意図的に二重請求する悪質なお店も報告されています。また、海外ですので帰国してから文句を言うのも難しいですね。
ですから、対策としては利用明細をこまめにチェックして、異常に気付いたらカード会社に相談することに尽きます。
一方、予防についてはレジでのカードの扱いをしっかり見ておくくらいしかありません。それだけでも予防にはなります。
引き落とされてからでも気づいたらカード会社に連絡を
二重請求を見落としてしまったら、それはそのまま口座から引き落とされてしまいます。でも、引き落としの後からでも二重請求に気付いたらすぐにカード会社に連絡して下さい。
数か月以上時間がかかる可能性はありますが、二重請求が確認されたら返金してもらえます。もちろん何年も後から言ってもダメですよ。
2重請求でなく、自分に見に覚えのない請求が合った場合の対処方法は、次の記事で説明しています。
利用明細をチェックしていれば実害にはつながりにくい二重請求
ですから、明細をしっかりチェックしてさえいれば、二重請求されても引き落としを止められますから、実害にはつながりにくいと言えるのです。