クレジットカードの強制解約は撤回されない。事前に対策しておく

クレジットカードを使おうとしたらエラーが出て使えなかった。その原因を調べたら、クレジットカードが強制解約されていたというケースは思いのほか多いようです。
実は強制解約されていたらカードを復活させる方法はありません。
しかし、その強制解約の流れによっては、他のカードの審査に影響を及ぼす場合とそうでない場合があるのです。他のカードに申し込める可能性も残っているのはどんな時なのでしょう。
この記事の目次
クレジットカードが強制解約される理由はカード会員側にある
クレジットカードの強制解約は、カード会社の権利としてカード会員規約に明示されています。
例えば、どのカード会社でも毎月の支払いが遅れた場合、1回だけの遅れで強制解約ができることになっています。
実際にはそれを厳密に運用するとは限らず、カード会社ごとに社内ルールを作ってその規約の運用を行っていることが多いです。でも、そのルールが社外に知らされることはありませんので、解約された人はその理由を知ることはできません。
強制解約される原因は多くあるが普通に使っていれば大丈夫
・支払いを遅らせない
・規約に違反しない
・信用状態を悪化させない
これがなければ、原則として強制解約になることはありません。
細かいことは会員規約をしっかり読んでもらえれば分かりますが、やはり多いのは延滞と信用状態の悪化ですね。
そのカードだけでなく、持っているクレジットカード全部についてどれか一つでも支払いが遅れたりすると危険です。
また、消費者金融などの借り入れが多くなりすぎることも、悪い条件になり得ます。
強制解約になったらまず自分の信用情報を取り寄せる
クレジットカードが強制解約になったら、CICから自分の信用情報を取り寄せて確認してみましょう。
CICとは、信用情報機関のこと。詳しくは次の記事を読んでみましょう。
この情報を次の強制解約の理由と比べてみると分かるのではないかと思います。
- 毎月の支払いが遅れた場合
- 破産・民事再生・差押え・銀行取引停止処分などの信用状態悪化があった場合
- ショッピング枠の現金化などを行った場合
- 途上与信でカードの継続利用が不適切だと判断された場合
- 同じ会社の他のカードで強制解約が行われた場合
- カードに関する申し込みで嘘を申告した場合
- カード会員が暴力団など反社会的勢力に関係したと見なされた場合
- カード会社に対して反社会的な行為が行われた場合
・暴力的な要求行為
・カード会社の法的責任を超えた不当要求
・脅迫的な言動や暴力を取引に関して用いた場合
・カード会社の信用を毀損したり業務を妨害したりするような風説の流布を行ったり偽計を用いた場合( SNS 利用に注意) - 法令に定められた本人確認ができない場合
- その他、会員規約に違反する行為
強制解約が他の審査に影響するかどうかは内容次第
強制解約になってしまった場合、そのカードは諦めるとしても、気になるのは他の会社のクレジットカードやカードローンです。
新規の申し込みはもちろん、途上与信にも悪影響が出てしまうことはないのでしょうか。これは強制解約とその後の対応次第と言うことになるでしょう。
長期延滞の強制解約は最初からブラックリスト入りが確定している
逆に、何らかの規約違反で強制解約された場合は、残っている利用金額を一括で支払えば、信用情報には単なる契約終了としての記録しか残りません。強制解約についての項目は信用情報には存在しないからです。
クレジットカードのブラックリストについて知りたい人は、次の記事を読んでみましょう。
どちらの情報も完済から 5 年間残りますが、後者の場合自発的にクレジットカードを解約したのと同じ扱いですから、信用情報に傷がついたことにはならないでしょう。
- 異動情報ではない支払い遅れは記録に残るが傷は浅い
- 強制解約に伴って残債の支払いが長引くと信用情報の傷になる
- 他のカードの信用情報が原因で強制解約された場合、他のカードの情報の方が問題になる可能性がある
こうしたことを念頭に置いて、CIC から信用情報を取り寄せてチェックしてみて下さい。
強制解約の理由は教えてくれないが支払い方などは交渉できる
強制解約になってしまった場合、普段一回払いで支払いを行っていた場合、その月の分も同じように引落日に支払ってしまえばそれで契約終了となります。
しかし、分割払いやリボルビング払いを利用していた場合に困ることになります。強制解約の場合は、原則として残債は一括で返済することになっているからです。
それが支払えない場合には、カード会社に電話して担当者を呼び分割払いの交渉をすることになります。
- それまでと同じペースの支払いができないか交渉してみる
- 信用情報には異動情報が記録される可能性が高い
- その分割払いの支払いが遅れたら今度は交渉の余地なく一括払いになる
こうしたことを意識して交渉して下さい。
また、信用情報への登録がまだされていない場合、それを待ってもらうように交渉してみるという方法もあります。
その上で、別のカードローンなどを申し込んで借り入れを行い、クレジットカードの方を一括返済すると言うわけです。
これは多重債務に陥る危険性があるので、あまりお勧めはできませんが、こうした可能性があるということで紹介しておきます。
強制解約になった場合再発行はほぼ不可能である
一度強制解約になると、そのカード会社に申し込んでも審査に通る可能性はありません。それが指定信用情報機関の情報保持期限の5年を過ぎた後であっても、社内には半永久的に記録が残るので難しいでしょう。
同様に、指定信用情報機関に事故情報が記録されない形の強制解約であっても、同じ会社での発行は難しいと思います。
他のカード会社への申し込みは信用情報次第
カード会社は強制解約の理由を教えてくれません。
ですから、自分が納得いかない場合、CICから信用情報を取り寄せてみて、内容を確認しましょう。そこに事実とは異なる情報が書かれていた場合、証拠を添付することで訂正してもらえます。
その上で、カード会社にも情報の訂正を申し入れれば、再発行の可能性はゼロではないでしょう。しかし、実際には社内情報の訂正は難しいのではないかと思います。
指定信用情報機関の情報がきれいなら他のカードは可能性がある
誤った情報が載っていたものを訂正できた後や、最初から強制解約についても単なる解約扱いになっていた場合、他のカードの審査に悪影響はありません。
発行されやすそうなカードを選んで申し込みを行えば、問題なく発行されることが多いと思います。
また、指定信用情報機関の扱いが異なる消費者金融系のACマスターカード(アコム)なども狙い目かもしれませんね。
強制解約を避けるにはクレジットカードを正しく使う
確たるものではありませんが、強制解約になりやすい人と言うのがあるようです。そうした人は、特にカードの使い方に注意が必要です。
それは「属性の低い人」です。
- 正社員ではない人
- 所得が少ない人
- いわゆる夜のお仕事に就いている人
- アルバイト・パート
- 主婦・主夫・学生
こうした人は、審査に通ってカードが発行されたとしても、支払不能のリスクが高い人とみなされています。こうした人が一回でも支払い遅れを出すと、その段階で強制解約になる可能性もあります。
多くの場合、銀行系のカードなど審査のうるさいところでは、専用カードを除いてこうした人は最初に審査落ちします。一方で流通系など入会審査の緩いところでは、取り敢えずカードを発行します。
そして、カードの利用状況が悪ければ強制解約し、良ければお得意様として優遇するというのが入会審査の甘いカード会社の特徴です。
- 引落日の残高不足
- 他のカードの支払い遅れ
- 消費者金融の使いすぎ
- 増枠の申し込み(他のカードを含めて)
- キャッシング枠の新設・増枠
こうしたことは信用状況の悪化と捉えかねられません。増枠などを行う場合は事前に給与明細などを提出して、信用力があがったことを届けておくのが得策です。
アルバイトや主婦・無職の方など、クレジットカードの審査に通るのが難しいと言われている人が審査に通るコツを次の記事で紹介しています。
強制解約はカード会社の自衛手段と言う側面がある
また、支払い遅れを出してしまったのにカードの利用が一時停止で済んでいる時に、支払を行わずカード利用の再開を要求したりすると、それも強制解約の条件に当てはまってしまいますので、普段の行動には注意して下さいね。