インドでクレジットカードを使う時は特にひったくりと詐欺に注意

ここを読んで頂いているということは、あなたはインド旅行を計画されているのですね。その計画、今からでも他の国への旅行に振り変えることはできないでしょうか。
あまり脅すようなことは言いたくないのですが、インドは十分注意していないと危険な目に合うことも。
外務省の海外安全情報を見ると、インドはレベル1「十分に注意してください」という警告が全域に渡っています。
地域によってはレベル2の「不要不急の渡航は止めてください」という警告が出てきます。インドでのクレジットカードの利用する際の注意点を十分に理解しておきましょう。
この記事の目次
高額紙幣廃止の影響でキャッシュレス決済は増えているが不便
インドでは、2016年に高額紙幣が廃止されました。もちろんその狙いはアングラマネーのあぶり出しと、いわゆるタンス預金の把握にあったわけですが、副次効果としてキャッシュレス決済が伸びたようです。
ですので、2016年以前に比べるとクレジットカードの使い勝手も良くなりました。
JCBもインド決済公社との提携を発表しています。
途上国のご多分に漏れずスマホ決済が中心のキャッシュレス
インドの多くの人にとって、クレジットカードが持てないことのほうがまだまだ一般的です。これはインドの人の経済状況に問題があるというより、カード会社の能力が追いついていないからと考えられます。
そのため、インドでも中国でもデビットカードが普及し、さらには銀行口座に紐つけた電子決済が爆発的に普及しているのです。しかし、外国人旅行者は現地の電子決済は利用できません。
もし、海外赴任でインドに行く場合は、すぐに銀行口座を作って電子決済の準備をして下さい。
クレジットカードが使えるかどうかではなく詐欺でないかどうかが重要
インドではクレジットカード詐欺が横行しています。基本的な手口はスキミングです。インドでクレジットカードが使えるお店ではICチップによる取引が基本ですが、磁気ストライプを読み取られると悪用は可能です。
ですから、信用できるお店以外ではクレジットカードを使わないほうが安全です。
信用できるお店というのは次のようなところです。
- 外国人向けの高級ホテル
- 外資系のスーパー
- 大病院
かなり限られますね。しかも外資系のスーパーというのはインド政府の参入規制と現地での様々な軋轢のせいで、フランスの有名なカルフールが撤退したぐらいですのであまり多くはありません。
今の所、外資系と言えばイギリスのテスコぐらいになると思います。それ以外のところでは、かなり悪辣なクレジットカード詐欺が横行していますから、できるだけ使わないのがいいでしょう。
でも、目の前で処理したからと言ってスキミングや詐欺の恐れがないわけではありません。正規のカード読取機にスキミング用の機械が組み込まれていることもあります。
また、カードを入れてから「通信エラーが出たのでこのカードは使えない、現金で支払ってくれ。」と言われるがまま支払ったら、あとでクレジットカード会社から請求が来たなんて言うのもよくある手口です。
ですから、こうした場合には現金支払いに対する機械打ちのレシートを受け取って下さい。大抵の場合詐欺を働く店ではレシートが出ません。そのレシートを証拠にカード会社に申し入れを行うと、カード会社からその店への支払いが止められるからです。
もちろん、顧客へのカード会社からの請求も取り消されます。
もしレシートの発行を渋るようであれば、その店での買い物自体をキャンセルしましょう。
飲食店では既にサービスを受けたあとになるので、最初からクレジットカードを使わないのが良いですね。街の飲食店を使うことがあってもカード払いは避けたほうが良いです。
ホテル内のレストランの場合、部屋付にできるのならそれを選択しておくと良いでしょう。だめな場合はカード払いでも問題ありません。
JCBは今後使いやすいカードに発展する可能性が強い
2019年初頭ではおそらくVISAとマスターカードの2強がインドで最も使えるカードだとは思います。
しかし、ここにきてJCBが巻き返しを図っているようですね。
インド決済公社はインド国内に20万か所あまりのATMと260万台以上の加盟店POS端末を持っていますので、その全てでJCBカードが使えるようになると、かなり便利になるでしょう。
JCBが発行しているクレジットカードを知りたい人は、次の記事を読んでみましょう。
インド決済公社はVISAやマスターカードに取って代われるだけのスキームを目指していて、現在の主な国際的パートナーはアメリカのディスカバーカードです。さらにJCBとダイナースクラブ、銀聯UnionPayもこれに加わる流れとなっています。
そうした流れが完成すれば、詐欺を働く不良加盟店も淘汰されて行き、安心してクレジットカードが使える社会が来ると思いますが、それにはもう少し時間がかかりそうですね。
まだまだ現金払いが中心になるインド社会
実はインドの経済担当省が困っているのは、インド人のスマホ普及率の低さです。キャッシュレス社会の構築にはQR決済などスマホがあると大変便利ですが、そもそもそのスマホが一般に普及していないわけです。
一方で、インドはIT技術に優れていますので、国民登録番号と指紋・虹彩認証を組み合わせて、カードレス・スマホレス・キャッシュレス決済を構築しようとしているという情報もあります。
インドではATMから現地通貨を引き出すのはリスクがある
海外旅行にはデビットカードを持って行くと便利だという話を良くしているのですが、インドについては使える使えない以前に「使わない」ほうが良いと言えるでしょう。
インドにも街の両替商はたくさんありますが、どのお店が信用できるかという目安や基準はありません。
両替所よりホテルで両替するべし
多少レートが悪かったり手数料を取られたりしても、ホテルで両替するのがおすすめです。銀行でも良いのですが、銀行は混んでいる上に両替する外国人に目星をつけて後をつけ、強盗に及ぶ悪いやつも多いからあまりおすすめできません。
ホテルでの両替では、依頼すれば間違いなく本物の “Encashment Certificate”(外貨買取証明書)を発行してくれますから、旅行の終わりに空港の両替所でそれを提示して、余った現地通貨を日本円などに両替して持ち帰れます。
街の両替所の中には偽の証明書を発行するところもありますので、使わないに越したことはありません。
もしATMで現金を引き出す場合には、使い切れる金額を下ろして下さい。証明書が発行されるATMかどうかは “Encashment Certificate” が発行されると明示されているものを選びましょう。
フロントで相談してからホテル内のATMを利用してもいいですね。
インドで使えるクレジットカードはVISAとマスターカード
先にもお話したとおりJCBが頑張っていますし、インド政府のバックアップもあって、インドでのクレジットカード利用環境は徐々に改善してきているようです。
しかし、まだまだ万全とは言えませんので、当面はホテルなどでの身分証明書代わりとしてVISAとマスターカードを持って行くのが良いでしょう。
インドに行く場合は目的を問わず保険の充実したカードが必須
クレジットカードに自動付帯する保険には、ゴールドカードクラスであれば200万円~300万円程度の治療費用補償がついていますのでこれを足しにして下さい。
もちろん、ゴールドカード1枚では少し不安です。できれば治療費用として合計1,000万円くらいの保険になるよう、保険会社が販売する保険を買い足しておくことをおすすめします。
アメックスゴールドは、保険が非常に充実しています。詳しくは次の記事を読んでみましょう。
英語ができないならインドは避けたほうが良い
ですので、留学にせよ赴任にせよ、現地に住む場合は先にいる人に相談して、その土地で一番便利なクレジットカードを選びましょう。
とはいえ、まだまだインドではクレジットカードを使うのは不安な点は多いです。信用できる場所以外でのクレジットカード利用は避けるのがおすすめ。
十分に気をつけて、保険に入ってからインドに行くようにしてくださいね。