クレジットカードを返し忘れた!信用に関わるので正しく対応する

小売店や各種サービス業に勤務していると、日々大量のクレジットカード処理を行うことになります。なので、ちょっとしたことでクレジットカードをお客さんに返し忘れてしまうこともあるでしょう。
しかし、クレジットカードはお客さんの財産を管理するペイメントアイテムですから、「忘れました」では済まされません。一刻も早くお客さんに正しくお返ししましょう。
この記事の目次
カードを返し忘れたことは社内で情報共有しておく
うっかりカードを返し忘れて、お客さんもそのことに気付かず帰ってしまった場合には、まず社内でその事実を情報共有しておくことが大切です。
お客さんが気づいて取りに来られた時、そのことを知らないスタッフがいて、正しく応対できなかったりしたら信用の失墜は免れません。
カードをお返しする際には必ず身元確認を行ってから
もし、お客さんが気づいて店頭に取りに来られた場合は、念のため身分証明書の提示をお願いして、カード名義人と一致することを確認の上お返しして下さい。
本人確認をせずに返却すると、最悪の場合間違った人に返してしまう可能性もあります。
その場合は賠償責任も発生するかもしれません。
十分な注意を忘れないで下さい。
電話番号が分かれば直接連絡してもいい
お客さんがカードを利用したお店からお客さんに連絡できる可能性があるのは、お店側でお客さんの電話番号などを把握している場合だけです。
カードはできればお店の人がお客さんの自宅まで届けて手渡すのが安心なのですが、お客さんが取りに来ると言う時には次のような方法で確認して下さい。
- その買い物をした時のお客様控えを持ってきてもらう
- 身分証明書を持参してもらい、何を買ったのかを口頭で言ってもらう
- 電話連絡の時に任意の暗証番号を伝え、それを店頭で知らせてもらう
もちろんお店の方でルールがあるならそれでも問題ありません。確実に正しい持ち主に返せればそれでいいのです。
お客さんに連絡するのはカード会社に任せるのが一番
まず国内で発行されたカードについて見てみましょう。カードを返し忘れた相手のお客さんについて、何の情報もない場合は、そのカードを発行したカード会社へ連絡して事情を説明します。
連絡はカードの裏面に書いてある紛失盗難用の電話番号宛に掛ければ良いです。
できるだけ早くカード会社に連絡することで、お客さんにかかる迷惑を少しでも少なくできます。
最悪の場合そのカードが無効化されてしまう可能性もある
もし、お客さんより先にカード会社に連絡することができれば、カード会社の対応次第ではカードが無効化されずに済み、お客さんへの迷惑が最小で済む可能性があります。
お店の方からカード会社に連絡して、カードが第三者の手に渡っていないことを説明した場合、カード会社が取る可能性のある対応は次の通りです。
- お客さんに連絡して、カードの返却についてお店に連絡するように言う
・カードは停止しない - カードは一時停止して、お客さんの手に戻った時に再開する
- この場合でもカードは無効化して再発行する
・カードそのものはお店の方でハサミを入れて破棄する
どちらの場合でも、お客さんにこちらのミスで申し訳なかったときちんと謝罪をしましょう。
カードが無効化されない場合に備えて準備しておくこと
カード会社の方でカードが無効化されなかった場合、お客さんにカードを返せばそれ以上お客さんに迷惑は掛かりません。しかし今度はお店の方にトラブルの種が残ります。
それは、そのカードが不正利用された場合、疑いの目がお店に向いてしまうことです。そこで事前に対策を行っておきましょう。
- 返し忘れに気付いた時、そのカードを見た人全員を集める
- カードを封筒に入れる
- 見た人全員のハンコかサインで封緘する
- 最後に責任者のハンコで封緘する
- 封筒に入ったままカードをお客さんに渡し開封してもらう
- お客さんにハンコの理由を説明する
- 封緘した人全員の名簿を作って 5 年間保存する
万が一、カードが悪用されることがあってカード会社から問い合わせがあっても、自社ではこれだけきちんと管理していたので関係ないと主張できるでしょう。
海外のお客さんのカードを返し忘れると大変手間がかかる
インバウンドが増えている今、海外からのお客さんのクレジットカードを扱う機会も増えるでしょう。
この海外からのお客さんのカードを返し忘れるとさらに面倒になります。
カード会社に連絡しようにも、カード会社が海外の会社であった場合、なかなかスムーズに連絡できないからです。
海外のお客さんのカードを返し忘れた時もカード会社に頼る
こうした場合、2つの方法が考えられます。カード会社に頼ることに変わりはないのですが、国内のカードとは手順が異なります。
- 自社が契約している決済代行会社またはアクワイアラに連絡する
- 各国際ブランドの日本語の紛失盗難窓口に相談する
最初は上の方を行ってみるのが良いでしょう。
決済代行会社に連絡してお客さんへの連絡を依頼する
そこでそうしたお店では、それを取りまとめてくれる決済代行会社に契約していると思います。その会社に連絡して、国際ブランド経由で現地のカード会社へ連絡してもらうように依頼するのです。
それがダメなら、各国際ブランドの紛失盗難ダイヤルに相談してみて下さい。
- VISA:+1-303-967-1090
・国際電話コレクトコール、契約国際電話会社番号をつけて下さい - マスターカード:00531-11-3886
・国際電話フリーダイヤル、携帯電話からは掛けられません - JCB:0120-794-082
・フリーダイヤル、JCB紛失盗難受付デスク - アメックス:0120-020120
・フリーダイヤル、会員専用のため別の番号になるかもしれません - ダイナースクラブ:0120-074-024
・日本のダイナースクラブなので対応可能かどうかは不明です - DiscoverCard:0120-794-082
・日本では取扱がないためJCBが代行しています - 中国銀聯 UnionPay:0034-800-800-287
・国際フリーダイヤル、IP 電話や NTT 以外の直収電話からは利用できません
ただし、これらは日本で発行されたカードの盗難紛失窓口ですので、相談はできるでしょうが対応可能かどうかは未知数です。
お客さんが帰国していたら諦めるしかない
クレジットカードは国際郵便などで送ることができない国が意外に存在します。ですので、お客さんが帰国してしまっていたら連絡がついても、送ってあげることができないこともあります。
そうした場合は、カード会社からの指示によって、お店の方でカードを処分してあげる必要が出てきます。
それでも、無責任に黙ってカードを捨てるようなことだけはしないでくださいね。
クレジットカードは信用を形にしたものだから大切に扱う
その扱い如何によって、お店の信用が大きく左右されることになるのです。