海外での手数料はクレジットカードと現金のどっちがお得になる?

海外旅行に出かける時、気になるのは外貨の扱いですね。現金がお得なのか、それともクレジットカードを使うべきなのか。
それに、両替をするにしてもどこで両替するのがお得なのかも気になるのではないでしょうか。
さらにはクレジットカードを利用する場合でも、日本円建て決済なのか、米ドル建て決済なのか、あるいは現地通貨建て決済をするべきか、この記事で詳しく説明していきます。
この記事の目次
気にした方が良いのは為替レートより交換手数料
クレジットカードを使うにせよ、現金で支払うにせよ、海外でお金を使う場合には必ず為替レートが関わってきます。円高の時に海外に出ると、かなりお得感のある買い物ができますね。
しかし、それはカードでも現金でも同じように影響します。それよりは交換業者が徴収する交換手数料を意識しておいた方が損をしないのです。
為替レートとテレビなどで案内される為替相場は異なる数字
例えばアメリカドルと日本円を交換する場合、次のような数字になるのが一般的です。
- ドルから円に交換する場合:1ドル=108.32円
- 外為市場で報道される数値:1ドル=108.82円
- 円からドルに交換する場合:1ドル=109.32円
そして、これはあくまでも基準レートであって、実際の両替についてはもっと不利な数値が出ます。上の数字をチェックした際の実勢レートは円からドルに交換する場合で、1ドル=112.32円でした。
つまり、為替相場の数値に対してドルの買い付けには1ドルあたり0.5円の為替手数料が必要になり、さらに実際の交換には1ドルあたり1ドル3円の交換手数料が発生するのです。
このレートでの率で言えば、およそ3.2%の交換手数料が発生していることになりますね。仮にアメリカに出かける際に1,000ドル(約108,820円)を両替すると、窓口では112,320円の支払いが必要になるんです。
もちろん、帰国の際にドルが残っていて、それを日本円に戻す際にも、同じだけの手数料が必要になります。この交換手数料は、窓口によって変わりますので「どこの両替所が有利だ」と言う話題が出てくるのです。
クレジットカードの換算レートは割合お得なケースが多い
クレジットカードで支払いを行ったとしても、必ず外貨と日本円の交換と言うシーンが発生します。
それには2つのパターンがあります。
- 日本円建てで買い物をした場合
・買い物の際の金額がそのまま日本での請求額になる
・お店で提示される金額は、お店が日本円に換算した物なのでかなり割高 - 現地通貨建てで買い物をした場合
・国際ブランドが決めた日の換算レートで決まる
・請求金額確定時まで正確な金額がわからない
・余分な上乗せが行われない
そんな場合にお店の人が「人民元にしますか、日本円にしますか」と尋ねてきたら、ついつい日本円にしてほしいと言うかも知れません。でも、20,000円の金額が提示されたらどうでしょう。
もちろんこれでカード払いしたら、支払日には銀行口座から20,000円が引き落とされますので、大変確認しやすいとは思います。
一方、人民元で支払ったとした場合1人民元は16.3円ぐらいですので、交換手数料を入れても18.25円ぐらいになると思います。つまり、請求時には18,250円が引き落とされると言うわけです。
お店の方も商売ですから、交換手数料をお店が負担することになる日本円決済の場合、多少為替が動いてもお店が絶対損をしないレベルの値付けをしてきます。
つまり、カード払いで日本円決済を行うと、ほとんどの場合高い買い物をすることになると言うことなのです。
現地通貨で決済するようにしましょう。
クレジットカードの換算レートは割合お得なケースが多い
現金で支払おうが、クレジットカードで支払おうが、為替相場に影響される部分では全く同じと考えておいても良いでしょう。異なるのは国際ブランドが請求する事務手数料です。
この事務手数料は完全に公開されているわけではないので、やや情報が古くなっているかもしれませんが、ある程度は参考になると思いますので紹介しておきます。
カード会社 | 事務手数料 |
---|---|
JCB | 1.60% |
American Express | 2.00% |
VISA | 2.16% |
マスターカード | 2.16% |
ダイナースクラブ | 1.30~2.50% |
提携カード | カード発行会社による |
VISAとマスターカードはすべてが提携カードになるわけですが、おそらく三菱UFJニコスのレートが基準になっていると思われます。
これはかつて日本で唯一の外国為替銀行であった東京銀行が三菱銀行と合併し、MUFGの中核の一つとなっているからです。
プロパーカードを発行している他の3社についてはそれぞれの基準で手数料を決めているようです。
こうして見てみると、同じ支払いを行うならクレジットカード払いの方がわずかながら得になるのではないかと思います。
なお、この事務手数料には消費税が含まれています。
外貨預金とデビットカードの組み合わせはアメリカドルで有利
一部の国では自国通貨を持たずアメリカドルを公式通貨としていたり、自国通貨とアメリカドルを併用できるようにしている国もあります。
日本円を公式通貨として認めている国もあるにはありますが、実際の運用上はアメリカドルでないと使えないようで、日本円がそのまま使えるところは一部の観光地だけで、めったにありません。
できればデビットカードを持っておくのがお勧め
外貨預金は、日本円で外貨を購入して外貨のまま預金するものです。ですから、外貨を購入する時の手数料が安いものでないとなかなか有利に運用することができません。
外貨預金とデビットカードを連動させている銀行では、あらかじめレートを指定しておいて、それより有利なレートになった時だけ外貨を購入して積み立てると言う機能が準備されています。
海外旅行の際には、そのデビットカードを利用して現地で現金を引き出せば交換手数料が不要になります。おそらくこれが一番有利な使い方じゃないでしょうか。
もっとも、デビットカードですのでホテルやレンタカーのデポジットには向きません。クレジットカードも準備してうまく組み合わせて使って下さい。
ホテルのデポジットについては、次の記事で説明しています。
デビットカードはアメリカドルと日本円のどちらが有利に使えるか
渡航先の公式通貨がアメリカドルであるのなら、原則としてアメリカドルで決済した方が交換手数料が不要な分お得になります。
また、日本円と渡航先の通貨が直接交換できない場合、一旦アメリカドルを挟むことで両替が行われます。実務上は円と現地硬貨を交換するのですが、手数料が2回分発生します。
銀行を含む両替商へ出向いて現金を両替した場合、レートが大変悪い通貨があるのを経験した人も多いと思います。
- 日本円からアメリカドルに両替(手数料発生)
- アメリカドルから現地通貨に両替(手数料発生)
このようになっているので、レートが悪くなってしまうのです。トータルすると、多くの場合外貨預金でアメリカドルを貯めておいて、海外旅行の際に現地でデビットカードとして利用するのがお得になります。
海外旅行する時には為替相場を確認
海外旅行する時には為替相場を確認しておきましょう。例えば、1ドル=100円~110円ぐらいで推移している場合、自動積立外貨預金で1ドル=104円より円高の時だけ積み立てるように設定したとします。
そうすると、平均で1ドルを102円程度で積み立てたことになります。ところが、いざ海外旅行に出かけようとしたら急激に円高が進んで1ドル=95円くらいになったとします。
この場合は、日本円で決済してカード会社に手数料を支払っても1ドル=100円未満になるでしょう。つまり、外貨預金を取り崩すと1ドルあたり2円以上損をすると言うことになるのです。
そうした場合は、外貨預金を利用せず、普通のクレジットカードを使って円決済するのが良いですね。ただ、レートよりも重要なのは安全です。デビットカードは会員専用サイトから海外利用を停止したり再開したりできます。
その機能を利用して、盗難などから身を守って下さい。
デビットカードにも限度額を設定することは可能です。セキュリティーのためにも必ず限度額は設定しておきましょう。
手数料は「安全の価格」も含まれていると考えれば良い
偽札が一枚混じっていたらメリットは全部飛びますね。また、外貨預金でメリットを期待する場合はレートを細かくチェックする必要が出てきます。
日本人はよく「水と安全は無料だと思っている」と言われますが、ここでもそのことが当てはまります。損をしたり犯罪被害に遭ったりと言う危険性を排除できる分、手数料が高くなっていると考えれば良いと思いますよ。
クレジットカードを活用しましょう。