PayPayはクレジットカードをバックにしたQRコードアプリ

100 億円還元キャンペーンが大きな話題になった PayPay(ペイペイ)ですが、キャッシュレス決済の道具らしいと言うこと以外、あまりよくわからないという人も多いんじゃないでしょうか。
この PayPay は特に目新しいものではなく、数あるペイアプリの後発組の一つです。今後追従するものが増えるでしょうから、第二次組と呼ばれるようになるかもしれませんね。
PayPay とはQRコード決済のひとつ
PayPay はソフトバンクグループのペイアプリです。大きな企業グループがリリースしたことと、100 億円還元キャンペーンと言う派手な宣伝で一気に有名になりましたが、他にもペイアプリはたくさんあります。
基本的にはどのペイアプリも同じような特長や使い方をしますので、今回はその代表として PayPay を取り上げたいと思います。
ペイアプリの基本は支払いインターフェース
キャッシュレス時代をにらんで、いわゆるペイアプリは乱立気味です。楽天 Pay や origami Pay などはその前身を含めると、けっこう昔からあったのですが、やはりペイアプリを有名にしたのは PayPay だと言えるでしょう。
ペイアプリにもさまざまな方式がありますが、共通する機能は次のようなものです。
- スマホなどの機能を利用して支払いを行う
- 現金や銀行口座、クレジットカードなどをバックボーンに持つ
- 顧客間の送金機能がある
- 加盟店側の設備投資が小さい
- 電子マネーより利用に手間がかかる
使い慣れればかなり便利なキャッシュレス決済手段ですが、電子マネーに比べるとスマホ操作が面倒なのは間違いないですね。
PayPay はソフトバンクグループの QR コード決済
PayPay はソフトバンクとソフトバンクの子会社であるヤフー株式会社の合弁で作られたものです。ですので、Yahoo!JAPAN の ID を利用すると優遇されます。いわゆる「囲い込み」ですね。
もちろん、電話番号でアカウントを作り、クレジットカードを登録しても利用できます。
一方、残高をチャージして使う方法では、Yahoo! JAPAN ID や、Yahoo!ウォレットに登録した銀行口座が必要になります。
PayPay のメリットとデメリット
PayPay のメリットはキャッシュレス決済であると言うことです。対象は限られますが、銀行口座からチャージして使うこともできますし、クレジットカードに紐付けて使うこともできます。
つまり、ポストペイとプリペイドの両方が利用できると言うのもメリットと言えるでしょう。
PayPay ならではというメリットはまだない
総額 100 億円のキャッシュバックと言うのも魅力的ですが、上限額が絞られているのは微妙です。QUO ペイのように、1 名様にだけ 1 億円プレゼントの方が楽しいかもしれないです。もちろん私も応募しましたよ。
しかし、加盟店にとっては QR コードを印刷した紙一枚準備すれば導入できると言う大きなメリットがあるので、将来的には主力になる可能性が高いです。そうなったら、ユーザーにとっても使える店が増えるので、大きなメリットになるでしょう。
PayPay のデメリットとペイアプリのデメリット
PayPay 独自のデメリットという物もそれほど多くありませんし、他のペイアプリでも多かれ少なかれ似たようなデメリットがあります。
まず、前払い用に利用できる支払い手段が限られると言うことです。
- Yahoo!ウォレットに登録した銀行口座
・三菱UFJ銀行など、一部利用できない銀行がある。(2019年2月4日時点) - Yahoo! JAPAN カード
- PayPay 間の残高のやり取り
これ以外の方法では、PayPay にチャージすることができません。事前に登録したクレジットカードで、後払い支払を選択することになります。そのクレジットカードも VISA とマスターカードと Yahoo! JAPAN カードしか使えません。
また、ソフトバンク・Yahoo!JAPAN系のサービスですが、T ポイントが貯まったり、T ポイントを使ったりすることは、2019 年 4 月現在できません。
PayPay の具体的な使い方
PayPay の使い方はそれほど難しくはありませんが、電子マネーやクレジットカードに比べると手間がかかります。
それでも、一度設定してしまえば済みますので、興味のある人はチャレンジしてみて下さい。
まずはスマホに PayPay アプリをインストール
アプリ自体はスマホの他のアプリと同じように App Store や Google Play からダウンロードしてインストールするだけですので、全く手間はかかりません。そして次に必要な設定を行います。
最も簡単なのは、手元に VISA またはマスターカードのクレジットカードを準備して、それを登録する方法です。JCB は Yahoo! JAPAN カードのみ利用可能です。
- アプリホーム画面の右下[アカウント]をタップ
- アカウント画面の[支払い方法の設定]をタップ
- お支払い方法の管理画面の[クレジットカードの追加]をタップ
- 表示される選択肢から[クレジットカードの追加]を選択
- [ PayPay がカメラへのアクセスを求めています]と表示されたら OK する
- カメラが起動し[枠内にカードを入れてください。自動で読み取られます]と表示されたら、クレジットカードの表面を画面枠内に写す
- スキャンが完了すると[クレジットカードの追加]画面になるので、そこでカードの有効期限とセキュリティコードを入力
- 3D セキュアに遷移するので、3D セキュアの本人認証用パスワードを入力
- [クレジットカードが追加されました]と表示されたらOKして完了、エラーが出たらエラーメッセージに従って処理する
デビットカードやプリペイドカードは使えないことが多いので、クレジットカードを準備して下さい。3D セキュアに登録していないクレジットカードは使えません。
PayPay チャージには Yahoo!ID が必要になる
PayPay にチャージするプリペイド式の利用方法には銀行口座からのチャージと、Yahoo! JAPAN カードからのチャージがありますが、いずれも Yahoo!ID が必要になります。最初にアプリから Yahoo!ID 連携を行っておいて下さい。
Yahoo! JAPAN カードからのチャージは、上のクレジットカードの登録で Yahoo! JAPAN カードを登録すれば利用できます。
一方、銀行口座からのチャージの登録は次のような手順で行います。
- アプリホーム画面の左下[銀行口座登録]をタップ
- Yahoo! ウォレット画面が起動するので、そこに表示される銀行から選択する
・三菱UFJ銀行などウォレットに対応していても PayPay で使えない銀行もある - それぞれの銀行ごとの登録方法に従って登録する
これらの登録手続きが終わったら、ホーム画面中ほど右端の[チャージ]をタップしてチャージ画面を表示させ、支払方法を選択、100 円以上の金額を入力して[チャージする]をタップすればチャージが完了します。
お店での利用は2種類になる
現段階ではどちらが多いのかよくわかりませんが、最終的には「自分で金額を入力するタイプ」が優勢になると思います。
このタイプでは、お店にとって導入費用が事実上ゼロになるので、小規模小売店どころか自転車で引っ張るリヤカーの露天商でも導入可能だからです。
QR コードをどちらが読み取るかの違い
PayPay を含めて、多くのペイアプリには 2 タイプの支払い作業があります。
- QR コードを画面に表示させてお店の人にスキャンしてもらう方法
・ホーム画面の中央下の赤丸[支払う]をタップする
・支払方法を選択する
・表示される QR コード・バーコードをお店のスキャナで読み取ってもらえば完了 - 店頭のQR コードをスマホで読み取る方法
・ホーム画面中ほど左端の[スキャン]をタップする
・カメラで店頭の QR コードを読み取る
・支払画面に切り替わるので支払い方法を選択し金額を入力する
・支払い完了画面に切り替わったら、お店の人にそれを確認してもらえば完了
どちらになるかは、お店の方で決めていますのでお店の案内に従って下さい。レストランなどでは、タブレットに QR コードと金額を表示させて、テーブルまで持ってきてくれるというサービスもありますよ。
QR コード決済導入はもう少し様子を見ても良いかもしれない
他のカードの記事でも紹介していますが、強盗やニセ札が多すぎて現金を用いることがリスクになる国ではキャッシュレスが導入されやすいのです。おりしも日本ではお札が刷新されますから、さらにニセ札の心配は減るでしょう。
QR コード決済はあまりにも乱立しすぎているのに、まだ増えそうな勢いです。いずれ合併統合が進むでしょうが、その時の混乱も予想されますから、しばらくは様子を見ても良いと思いますよ。