ロシアもクレジットカード必須。しかし絶対頼り切ってはいけない

ロシア旅行を計画しているのですか。では、まず心に留めておいたほうがいい雑学を一つお教えしましょう。ロシアは大きいです。そんなことは誰でも知っていると思いますが、ではどのくらい大きいと思いますか。
極東ロシアのウラジオストクからヨーロッパロシアのカリーニングラードまでは、直行便で13時間あまり、成田からニューヨークよりも遠いのです。ですから、同じ国であっても、ひとまとめにして語れない部分が少なくないのです。
それはクレジットカード事情も同様。この記事では、ロシアのクレジットカード事情について説明していきます。
この記事の目次
ロシアでは圧倒的シェアを持つVISAカード
今回は主にロシアの首都であるモスクワを中心にした話題になります。
まずはモスクワでのクレジットカード事情を見てみましょう。
情報が錯綜しているので複数持っていったほうが良い
それともまた起こる可能性はありますか。
もともとロシアではクレジットカードといえばVISAでした。
アメックスやダイナースクラブはほとんど使えませんでしたし、それは今でも変わっていません。
一方、ヨーロッパに強いマスターカードも思ったより使えるという情報があります。ロシアの場合取次業者の関係などで、VISAが一時的に使えなくなったりすることも珍しくありません。そうした場合にマスターカードを出してみれば、使えることもあるのです。
ただ、どれもが確実な情報とは言い難い側面があるので、ある程度は自分で情報を集めて対策しておくことを強くおすすめします。その中でカードの複数持ちは鉄則です。
ルーブルの現金をホテルやATMで入手して持っておこう
意外なことに、ロシアは使えるところではクレジットカードのシステムがよく整っています。
ですので、ICチップが入っていないクレジットカードは使えませんし、暗証番号なしでも使えないと思っておいたほうが良いです。
もちろんホテルではデポジットの関係でクレジットカードは必須です。一方、街のお店では、大規模店や外国人観光客を相手のお店以外では、クレジットカードが使えないことが多いです。
ホテルのデポジットについては、次の記事で詳しく説明しています。
そこで現金を準備することになるのですが、次のような手段で現金を入手して下さい。
- 事前に日本である程度両替しておく
- ホテルで日本円から両替する
- 安全な場所のATMで引き出す
・クレジットカードの海外キャッシング
・デビットカードの海外引出し(VISA・JCBデビット)
・プリペイドカードの海外引出し(キャッシュパスポートなど)
これ以外の方法、例えば街なかの両替商や、街なかのATMの利用はしないで下さい。
海外のキャッシングの手数料については、次の記事をご覧ください。
どうしても一人でATMを使わざるを得ない時は、施設によりけりですが、警備員のいるATMなどを利用し、現金をポケットにしまったらしばらくそのあたりに佇んで、他の人が現金をおろして立ち去るのを確認してからATMコーナーを離れます。
海外では両替を行う外国人というのは、絶好の獲物になっているのです。
両替したお金は、できるだけ細かいお札などに交換して、複数のポケットに分散して持ちましょう。クレジットカードなどもまとめて持ってはいけません。
ロシアの観光客向けのお店ではクレジットカードが使える事が多い
観光客がよく立ち寄るような大型店舗では、VISAやマスターカードが普通に利用できることが多いです。
中にはJCBも使えるところがあるかもしれませんが、今のところ確実性はありません。2020年頃をめどに、かなり普及するのではないかと見られていますが、もう少し掛かりそうですね。
クリミア問題は過去のものだがインフラの不安定さは残っている
ロシアは技術的に優れた国ですので、ちゃんとしたお店ではICチップに対応しています。ということはレジの見えるところに、テンキー付きのカード読取機が設置されているでしょう。
お土産などを買うのにお店に立ち寄ったら、さりげなくレジ周りを観察して下さい。
わかり易い場所にカード読取機が置いてない店では、クレジットカードを使わないほうが安全です。
すぐに分かる場所にあれば、支払いする時に自分でカードをセットして暗証番号を入れればOKです。
日本に帰ってからも利用明細を細かくチェックすることを忘れない
これはロシアに限った話ではありませんし、海外旅行に行かなくてもカードの利用明細を細かくチェックするのは当然です。
万が一、カードの情報が悪用された場合、明細をしっかりチェックしていればその事実にすばやく気づけます。そして、悪用から60日以内であればカード会社に届けを出せば全額補償してもらえます。
ただし、暗証番号の管理には十分な注意が必要です。正しい暗証番号が使われた取引は、すべてカード会員が行った取引とみなされ、たとえ盗難によるものであっても補償の対象にはならないのです。
クレジットカードの明細や、暗証番号について次の記事で詳しく説明しているので、参考にしてください。
ロシア旅行にはプラチナカードクラスのクレカが欲しいところ
ロシア旅行の場合、病気や怪我の保障がしっかりした保険が欲しいですね。ロシアも外務省による海外安全情報でレベル1(注意情報)の危険情報は出されている国です。
アジア諸国と同じように犯罪絡みの危険もそれなりにありますが、むしろテロの対象になりやすい国だからという部分です。ですから、万が一のケガに備えて保険があると安心です。
次の記事では、クレジットカードの保険の比較方法を紹介しています。
プライオリティパスは絶対にほしい
モスクワに行くなら、日本航空の直行便がドモジェドヴォ国際空港に乗り入れていますからそれに乗るか、大韓航空が仁川乗換でシェレメーチエヴォ国際空港に乗り入れているのでそれを利用することが多いと思います。
シェレメーチエヴォ国際空港はモスクワ市内なので便利ですが、日本からの直行便はアエロフロート以外に飛んでいません。
ですので、プライオリティパスで空港ラウンジが利用できるとゆっくりできていいですね。
プライオリティパスが付帯されるクレジットカードを知りたい人は、次の記事を読んでみましょう。
ロシアでの病気やケガは海外移送もありうる
モスクワには優れた医療施設もありますが、例えば極東ロシアに旅行して病気やケガを負ってしまった場合、日本に帰国することになるかもしれません。
そうした費用は海外旅行傷害保険の治療費保障でまかなえますから、できるだけ大きい補償が取れるように工夫して下さい。ゴールドカード3枚とかプラチナカード2枚とかいうレベルになればかなり大きな補償が準備できるでしょう。
もし不安があれば、クレジットカードに付いている保険の引受会社で、独立した海外旅行傷害保険を購入して積み増すことを強くおすすめします。
ロシアに長期滞在するときも基本はVISAカード
ロシアでは現金が必要になることも多いので、特に留学で滞在する場合はVISAデビットやキャッシュパスポート(VISA)のような振込の受け入れ可能なプリペイドカードを持っておきましょう。
赴任の場合はVISAデビットとゴールドカード以上のVISAを持っておき、現地で銀行口座が開けたらMir(ミール)カードを作って下さい。今はまだロシアのローカルブランドですが、もしかしたら将来国際ブランド化するかもしれませんよ。
MirカードにはJCBブランドが付いたものも作れる銀行があるようです。
ロシアはまだまだカードの扱いが難しい国
ですので、あらかじめ渡航先の十分な情報を手に入れてから渡航するようにしましょう。外務省のサイトにも役立つ情報はたくさん載っています。
旅行代理店や、現地に事務所を構えている企業のサイトなども調べておくと便利ですよ。